- なごり
- I
なごり【余波】〔「波残り」の転という〕(1)風が静まったあとに残っている波。
「台風の~のうねり」
(2)潮が引いたあとに残っている海水。 また, あとに残された海藻など。II「難波潟潮干の~飽くまでに/万葉 533」
なごり【名残】〔「なごり(余波)」と同源〕(1)物事が過ぎ去ったあとになお残る, それを思い起こさせる気配やしるし。 余韻や余情。 また, 影響。「熱戦の~を残すグラウンド」「昔の~をとどめる古城」「夏の~」
(2)別れたあとに面影などが残って, なお心引かれること。 また, 別れの際の心残り。「~を惜しむ」「~が尽きない」
(3)物事の最後。 終わり。「~の夜」「この世の~」「その日の~なれば限りの風(フウ)なり/花鏡」
(4)去った人や故人を思い出すよすがとなるものや事。 故人の形見や子孫。「おぼし出づばかりの~とどめたる身も, いとたけく/源氏(澪標)」「さてかの維時が~は/増鏡(新島守)」
(5)病後などの身体に残る影響。「いと重くわづらひ給ひつれど, ことなる~残らず/源氏(夕顔)」
(6)残り。 残余。「弥生中の六日なれば花はいまだ~あり/平家 3」
(7)「名残の折」の略。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.